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1)アメリカ
アメリカで多いバイクは、「アメリカンバイク」と日本で呼ばれるタイプものである。これはアメリカでは「クルーザー」と呼ばれるタイプのものであり、代表的なものとしてはハーレーダビッドソンなどがあげられる。 クルーザーはスポーツタイプのバイクと比べると、外観からして大きな違いがいくつかある。たとえばシートはやや低めに作られ、後ろに軽くもたれかかることができるようになっている。足は前方に突き出し、両腕も軽く上げるような姿勢となる。アメリカでは、都市間の距離が離れており、ツーリングも長距離に及びやすい。そんなときでも、この姿勢であれば比較的ライダーの疲労は軽くてすむのである。 アメリカでは、バイクレースも盛んである。ロードレースではアメリカグランプリなどが開催される。このほか、土(ダート)のトラックで行われるダートトラックレースも人気である。ダートトラックレースが開催できるコースは、路面が土もしくは砂で、楕円形などの単純なものである。このようなコースはアメリカに多数存在する。アメリカを代表するサーキットのひとつである「インディアナポリス・モーター・スピードウェイ」も楕円形をしたサーキットであるが、このサーキットでは四輪のレースも開催されるため、路面は舗装されている。
2)イタリア
イタリアのバイクで有名なものに、「ヴェスパ」がある。これは、1946年から製造されており、映画「ローマの休日」にも登場するスクーターである。現在のスクーターのスタイルを決定づけた機種とも言われているが、スクーターの起源についてはもっと古く1910年代のアメリカまでさかのぼるという説もある。ヴェスパなどのスクーターは、現在でもローマなどのイタリア市街地では、よく走っているのを見かける。 ヴェスパを生産している会社、ピアジオ社には、傘下にアプリリアやモト・グッツィというバイクメーカーも抱えている。アプリリアはスクーター以外にも、オフロードバイクやクルーザー(アメリカンバイク)を生産し、モト・グッツィは主にクルーザーなどのツーリング用バイクを生産している。これらのバイクも、イタリア国内では多く走っている。 バイクレースの人気も高い。ヴァレンティーノ・ロッシなどの有名ライダーも輩出しており、ロードレース選手権などのレースで優勝したライダーやチームも多い。レーシングバイクのメーカーでも、「ドゥカティ」という有名なメーカーがある。レーシングバイクの世界においては、日本のヤマハやホンダが非常に強かったのであるが、ドゥカティのバイクはヤマハやホンダのバイクにも勝利したことがある。
3)イギリス
イギリスは天候が変わりやすく、また冬は寒くて長い。そのため、日常生活においてはバイクよりも車のほうがよく使われる傾向がある。 しかし、趣味としてバイクを楽しむ人たちがいないわけではない。大型バイクに乗ってツーリングを楽しむライダーもいるし、また、モータースポーツとしてのバイクも人気が高い。 イギリスのバイクメーカーでは、「トライアンフ」が有名である。長距離ツーリングに適したクルーザー(アメリカン)タイプのバイクのほか、アーバンスポーツと呼ばれる走りを重視したタイプのバイクも人気である。特にアーバンスポーツタイプのバイクは、日本でも人気が高い。 バイクのレースでは、ブリティッシュスーパーバイク選手権やマン島TTレースが有名である。ブリティッシュスーパーバイク選手権では、近年日本人ライダーの参戦もあったことから日本でも注目が集まりつつある。 マン島TTレースは、イギリス領マン島で行われるレースである。レースはサーキットではなく、公道を使って開催される。マン島TTレースは、公道レースとしてのみならず、オートバイレースとしても最も歴史があるレースとして有名である。
4)スペイン
スペインでは、モータースポーツの人気が上昇しつつある。特にロードレースは、サッカーに次ぐ人気の高さを誇っており、テレビ中継の際の視聴率も高い。 ロードレース人気が出るきっかけとなったのは、スペイン人ライダーであるアレックス・クリヴィーレがロードレース選手権のGP500のクラスでチャンピオンになったことであった。現在では、フォルトゥナ、レプソルなどの多くのスペイン系企業がスポンサーにつくようになっている。 ライダーの人気も非常に高い。スポーツの分野では、スペインで最も人気があるものはサッカーであるが、ライダー人気はサッカー選手のそれに匹敵するほどである。 スペインでのロードレース人気を示すものの一つに、スペイン国内で開催されるグランプリの数があげられる。通常、ロードレース世界選手権は1年で1カ国、1グランプリ(GP)開催が原則となっている。しかし、スペインではグランプリが年に3回開催される。スペインGP、バレンシアGP、カタロニアGPの3レースである。いずれのレースも、チケットは即完売し、毎回満員の観客を集めている。
5)ドイツ
自動車産業が有名なドイツであるが、たとえば有名自動車メーカーであるBMWはバイク制作も手掛けている。バイク専門メーカーとしては、MZモトラッドが有名である。MZモトラッドは旧東ドイツ発祥のメーカーであり、かつては東ドイツを代表するメーカーでもあった。東西ドイツ統一後、東ドイツの工業製品の中には生産が中止されるものも出てきたが、MZモトラッドは生産され続けており、日本にも輸入されている。 ドイツはまた、見本市が多く開かれることでも有名である。バイクの世界でも同様であり、世界最大のバイク見本市「INTERMOT」が開かれることでも知られている。INTERMOTでは、バイクやスクーター、さらにその関連パーツ、ヘルメット、スーツなどの装備など多岐にわたる内容の展示が行われ、多くの客がやってくる。 ドイツの高速道路、アウトバーンは無料で通行できる。車のみならず、バイクであっても自由に利用できる。アウトバーンを利用すれば、さまざまな都市を経由してのツーリングも楽しめる。 二輪モータースポーツの分野では、ブランデンブルク州にあるサーキット「ユーロスピードウェイ・ラウジッツ」などが有名である。ユーロスピードウェイ・ラウジッツでは、スーパーバイク選手権などが開催される。2006年にここで開催されたスーパーバイク選手権では、日本人ライダーの加賀山就臣が優勝している。
6)フランス
フランスでは、自動車メーカーのプジョーがスクーター製作も行っている。スポーツタイプのバイクでは、ヴォクサンが唯一のフランスのメーカーとして知られている。しかし、ヴォクサンは経営状態があまりよくなく、バイクの年間生産台数も約100台程度(2007年現在)と少ない。 市街地を走るバイクには、日本のメーカーのものが多い。中古バイクでも日本メーカーのものが人気である。それ以外では、ドゥカティ、モト・グッツィ、BMWで、外国メーカーのものが圧倒的である。 モータースポーツの分野では、「ル・マン24時間耐久レース」が有名である。日本ではこのレースは、一般的に自動車の耐久レースを指していることがほとんどである。しかし、二輪についても毎年4月に、ル・マン24時間耐久レースが開催される。会場は、ル・マンにあるブガッティ・サーキットである。ブガッティ・サーキットでは、このほかロードレース世界選手権のMotoGPも開催される。
7)韓国
韓国のバイクメーカーには、大林自動車(デーリム)、暁星機械工業(ヒョースン)の2つがあげられる。デーリムはかつてはホンダから、ヒョースンはスズキから技術供与を得ていた。生産されているバイクは、125ccまでのものが主流である。 韓国では、中型排気量以上のバイクはあまり多くない。その理由は免許制度にある。韓国では、原動機免許か自動車免許があれば、125ccまでのバイクに乗れる。それ以上のバイクに乗ろうと思ったら、改めて小型2種免許という免許を別に取得しなければならない。その手間があるため、125ccまでのバイクが主流となっているのである。 市街地で見られるバイクのほとんどは、日本と違ってビジネス用である。クイックサービスと呼ばれるバイク便も多い。これらのバイクには、通常のバイクに荷台などをつけて改造されているものもある。クイックサービスなどは特に時間が勝負となるため、運転マナーはあまりよくない。 韓国では、儒教の影響もあり、女性ライダーの数は非常に少ない。しかし、近年はそのようなこともなくなりつつあり、スクータータイプのバイクに乗る女性が増えてきている。
8)中国
中国では、多くの都市でバイクの新規登録ができなくなっている。バイクの排気ガスが、環境汚染の原因の一つであることが指摘されているからである。また、大都市では渋滞対策という理由もある。そのため、すでに発行されているバイクのナンバープレートが高額で売買されているという現象が起きている。 さらに、バイクの新規登録が規制されている都市には、その都市で登録されているバイクしか入ることができない。そのため、たとえばツーリングなどであちこちの都市に行くということが非常に難しい状況となっている。 中国のバイクメーカーは数多い。日本の有名バイクメーカーのコピーまがいのものを出し、問題になっているところもある。しかし、大手メーカーの宗申が所有する中国宗申バイクチームなどは、2005年にはMotoGPにも参戦するなどし、実績を積みつつある。上海天馬山サーキットなどでは、走行会や2輪のレースも開かれている。レースとしては、「中国国内2輪選手権大会」が、中国における登竜門的な2輪のレースとして知られている。
9)台湾
台湾には、KYMCO(Kwang Yang Motor)やYMT(Yamaha Moter Taiwan)などのバイクメーカーがある。 KIMCOは本田技研から技術供与を受け、主に50~250ccのバイク(スクーター、アメリカンバイク)などを生産している。台湾のバイクメーカーとしては最大手であり、台湾内のみならず、日本や欧米にも製品を輸出している。 YMTはその名の通りヤマハ発動機傘下のメーカーである。 自家用車やバイクなどが、住民の足として大きなウェイトを占めている。自家用車は高価な物も多いため、バイク、それも手ごろに購入できるスクータータイプのものが多い。都市部では渋滞も頻発しており、運転マナーも日本などと比べるとあまりよくない。事故もしばしば起こる。 日本と台湾の間では、免許証の相互承認が認められている。JAFに依頼して、日本の免許証に中国語の翻訳をつけてもらったら、それで運転は可能である。しかし、この有効期限は1年間に限定されている。それ以上の期間、運転したいならば、有効期間内に一度日本に帰国して、改めて翻訳文を申請する必要がある。 台湾(中華民国)は、国際運転免許証に関するジュネーブ条約に加盟していない。そのため、国際運転免許証を所持していても、バイクの運転はできない。
10)ベトナム
ベトナムはバイク大国である。そのほとんどを占めるのは、スクーターである。2人乗り、3人乗りも珍しくない。また、ヘルメットを着用する人も少ない。しかし近年は、3人乗り以上の禁止やヘルメットの着用が法律によって定められたこともあり、これらの状況はやや改善されつつある。 ベトナムには、国産のバイクメーカーもある。しかし、人気の車種は外国、特に日本のメーカーのものである。特にホンダのバイクが人気であり、「ホンダ」はバイク全般をさす言葉としても使われている。このような状況の中、近年は中国などのメーカーも販売台数を伸ばしつつある。 ベトナムは、国際免許証条約に加盟していない。そのため、国際免許証を所有していてもベトナム国内ではバイクの運転ができない。ベトナム国内でバイクに乗りたいと思ったら、ベトナムのバイク免許を取得する必要がある。日本の運転免許証を所持していたら、その書き換えを行えばそれでよい。書き換えには、申請書類や運転免許証のコピー、運転免許証のベトナム語訳、パスポートやビザのコピー、顔写真などが必要である。
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